野田 まずは、ジャガーXタイプの長期リポートをどのようなコンセプトで行なっていくのかを聞きましょうか。
中嶋 われわれはモータージャーナリストではないわけですから、背伸びをしないで普通の人の目線でリポートを行なっていきたいと思っています。担当者は決めずにみんなで試乗していくつもりです。そのほうが、独身、既婚、女性……、それぞれいろんな感じ方があっておもしろい記事が作れると考えました。
野田 リポート車のプロフィールを教えてください。
中嶋 2005年2月登録のXタイプ 2.0SEで、4月上旬にやってきた時の走行距離は9000kmでした。営業部員の足として毎日のように使っていますので、すでに500kmほどを走りましたよ。
中脇 新車が発表された時にモータージャーナリストの方々がインプレッションを行なった際の評価と、オーナーの評価にはかなりのズレがあると思うんですよ。そのあたりがリポートのポイントになるのではないでしょうか。
中嶋 そうそう、ハイスピードでコーナーに突入した時の挙動なんて、普通の人にはあまり関係のない話だからね。
山口 私みたいな都内に暮らすごく普通の働く主婦がどんな印象を抱くかのほうが、Xタイプの購入を考えている人にとってはけっこう参考になったりするのかも。
野田 Xタイプはまさに山口さんのような女性や30代の若い男性に似合うクルマなんですよ。よりジャガーらしさを求める人には、SタイプやXJシリーズが用意されているわけです。最年少の先崎さんはどんな印象を持ちましたか。
先崎 僕はXタイプにもジャガーらしさが充分あると思います。ボディ・デザインやインテリアに上品なクラシカル感があるし、走行感覚にも高級車独特のオーラを感じました。この気持ちよさを知ると、もう国産車には戻れなくなりますよ
中嶋 特に長距離走行は楽だよね。最初に乗った時はなんて硬いシートなんだろう!と感じたけれど、長野を往復してもお尻や腰が痛くならなかったのはさすがだと思った。
山口 かなり硬めなんだけれど、30分くらい座っていると体とシートの革がしっくり馴染んできてそれがすごく心地いいの。あとね、私ってあんまり運転は得意なほうじゃないんだけれど、Xタイプを街中で走らせていると、運転が上手になったような気になる。それって、上質なクルマがもたらしてくれる安心感だったりするんだろうね。
中脇 ボディは小さめだけど、やっぱり高級車なんですよ。その証拠に、狭い路地では道行く人が立ち止まって避けてくれるし、また視線も感じたりして。営業用の国産車だと完全に無視されて誰も道を譲ってくれない(笑)。
山口 そう言えば、馴染のガソリンスタンドに入ったら、いつもダラダラしていてやる気のなさそうなオニーサンが駆け足で誘導してくれたよ(笑)。
先崎 要するに普通の人にとっては、XタイプもXJと同じ高級車なんですよ。
中嶋 Xタイプのスタイリングにはジャガーらしさが漂っている証拠でもあるわけだ。
中脇 ちなみに妻を後席に乗せてショッピングに出かけてみたのですが、インテリア雰囲気はいいし、快適だし、何かに守られているような安心感があると言って大好評でした。
山口 早く出世してXタイプを買わないとね。
中脇 はい、妻にも同じことを言われました(笑)。でも、先ほど編集長が言っていたように大人の女性に似合うクルマですよね。
山口 女性のクルマ選びは男性と根本的に違うから。客観的に見るというか、そのクルマのドライバーズシートに座っている自分が他の人の目にどう映るかが重要で、動力性能なんて意外とどうでもよかったりする。Xタイプはプレミアムなイメージにプラスして、若々しさも持っているから合格だと思う。
先崎 僕なんか、まだ乗せられているって感覚ですね。ステアリングホイールを握ると、そこにはがんばっちゃっている自分がいるわけですよ。いつもより背筋が伸びていて、運転している時も上着は脱がないし、ネクタイも緩めない。いつものように車内でコンビニ弁当など食べられないですもの(笑)。
中脇 車格に合わせた自分になろうとするんだよね。たしかにファッションとか運転マナーには気を使うようになったかな。
野田 それって重要なことですよ。男は、仕事とクルマと女に磨かれて大きくなっていくわけです。
先崎 編集長は女にも磨かれたのですか?
野田 そのあたりはちょっと複雑というか。結婚する女性を選ぶ時はね……
山口 話が脱線していますよ。
野田 すみません。
中嶋 トヨタ・クラウンは走っていて他のクルマと同化してしまえるけれど、ジャガーはたとえXタイプでも絶対に他のクルマとは混ざらない。だから、オーナーにもきちんとした運転マナーと相応しい人格が必要なのかもしれない。
山口 Xタイプって、SタイプやXJと違って適度なカジュアル感があるじゃない。そのあたりも絶妙でいいよね。
野田 そう、肩の力をぬいて、ちょっとした贅沢を楽しめる。そんなクルマなんですよ。認定中古車の2.0SEは300万円中盤付近から探せます。同クラスの国産新車と同じ予算で狙えるわけですから、買い得だと言えるでしょうね
Text:野田義彦/Photo:丸山ヒロト |