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「いいクルマだけど“らしさ”は薄まっているよね」と話すW210/W211オーナーは少なくない。たしかにW124までのEクラスは、オーバークオリティと称されほどの内外装の質感やボディ/シャシーの剛性感を持ち、メカニズムの完成度は一等地を抜いていた。まさしくライバルたちの追従を許さない王者の世界がそこにあった。それが“らしさ”の秘密である。でもW210では業界再編の嵐が吹き荒れるなか、ブランドの生き残りをかけてパーツの共有化や開発期間の短縮などが進められたのはご存じのとおり。“オーバークオリティ”は膨大な開発コストと時間の産物だったのである。効率的に利益を上げることを考えればマイナスになるのは言うまでもないだろう。そんななかW210の開発陣は、Eクラスにスポーティで軽快というわかりやすい走行感覚を持たせる秘策で勝負に出た。それが正解だったことはW210とW211の好調なセールスと企業としての躍進が証明している。もう、メルセデス・ベンツEクラスに「あの頃」の重厚感は戻ってこないのか?
そして、2009年5月にW211の後継モデルとなるW212が登場する。その開発がスタートする際の会議室でスタッフたちは「もう流行を追っていてはダメだ。今度のEクラスは我々の流儀を貫こう。結果は後からついてくる!」と、言ったかどうかはさだかではないが、果たしてW212ではボディの剛性感やシャシーの完成度が一段と引き上げられたことにより、ドライバーを包み込むような安心感と重厚さが戻ってきたのである。オールドファンが乗れば「やっぱりメルセデス・ベンツはこれだ!」と思うに違いない。
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