早いもので、E65/66というコードネームを持つ現行型7シリーズの導入がはじまってからもう3年が経過している。デビュー当初は、斬新なボディスタイルや先進的なiDriveに対し賛否両論が渦巻いていたが、ここへ来てもう決着は付いた、と言えるだろう。もちろんBMWの完全勝利である。他メーカーのクルマがデザインテイストを真似てきたり、オーディオやナビゲーションシステムなどの操作をセンターコンソールに設けたコントローラーで集中的に行なう、というコンセプトを採用して登場しているのだから。結局、7シリーズのちょっとばかり歩幅の大きかった第一歩に、ようやく周囲が追い付いたところなんだと思う。そこで最初は“?”と感じていたあなたも、今いちど7シリーズに注目して欲しい。

クルマもイロイロ
 今回BMW Tokyo青葉アプルーブドカーセンターから借り出した7シリーズは2004年式の735i。実はこのクルマを指名したのにはちょっとした理由があって、それは「スレート・グリーン」という珍しいグリーンメタリックのボディカラーを持っているからなのだ。
 “真っ赤なスポーツカー”とか“黒塗りのハイヤー”などとボディカラーを強調してクルマを表現することが少なくないように、クルマと色は密接に関わっている。誰かが歌うように、人生がいろいろなら、クルマもいろいろなのだ。しかし残念なことにLセグメントに属するクルマたちは、シロ/クロ/シルバーという定番色に塗られていることが多く、人気もこれらに集中しているというのが現状。カタログには他のボディカラーも紹介されているし、それに組み合わされる内装色だって数種の中から選択できることが多いから、もっとこだわって自由に選んでも良いと思うのだが……。
 もちろんこの7シリーズにも様々なボディカラーが用意されていて、年式によって若干設定が異なるものの、基本的に13〜14色もの中から選べる。つまりこれは、アプルーブドカー市場にもこれだけのボディカラーの

 

シリーズが存在することを意味している。そしてUCGを見たり、実際にアプルーブドカーセンターに足を運んでみると、ライバルと比較して、定番色以外の選択肢はなかなか多いことがわかる。これも7シリーズ・アプルーブドカーの大きな魅力のひとつだ。この事実には斬新なボディデザインが大きく影響していると思う。無難にまとめられたデザインを持つクルマではそう簡単にはいくまい。物議を醸した今までなかった新しいスタイルだからこそ、珍しいボディカラーが見事に映える。

お買得度の高さは相当なもの
 当然7シリーズの魅力はこれだけではない。血は争えないというか、ドライビングプレジャーとスタビリティの見事なバランスで評価の高い3シリーズ同様、走らせても満足できるクルマだ。誇張した表現ではなく、本当に3シリーズのようにシャープなコーナリングが楽しめる。それでいて3シリーズよりも静かで快適なのだから、極めて贅沢なクルマだと思う。アプルーブドカーとは言え、けっして安い買い物ではないが、3シリーズとの価格差は充分納得できるし、むしろこちらの方がお買得に感じられるほどだ。

追い風が吹いている
 冒頭でも述べた通り上陸開始から3年を経て、そろそろ初回車検を迎えるクルマが現れてくるころだ。多くの7シリーズユーザーは車検を契機にまた新しい7シリーズに乗り換えると聞くから、今後、優良な下取り車をベースとしたアプルーブドカーのマーケットがより充実するのは間違いない。その中からちょっと珍しいボディカラーを持ったこだわりの7シリーズを探して、あなたもLセグメントの世界を体感してみてはいかがだろうか?

Text:佐藤貴昭/Photo:松本高好

     
 
 
  試乗車はちょうど1年前に登録された2004年式735i。プラスパッケージとコンフォートパッケージが装着された走行距離1.4万kmの車両で、672万円のプライスボードを掲げる。車名はナナ・サン・ゴだが、排気量は3.5リットルではなく3591cc。ちなみに745は4398ccで、760は5972ccである。
車両協力:BMW Tokyo青葉アプルーブドカーセンター Tel.045-913-5511
           
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