気が付けばもう1年以上、各方面へ話題を振りまいたポルシェの新カテゴリーに、早くも認定中古車が登場し始めている。パナメーラという素材は、968以来のFRパッケージに、大人4人を至極快適に飲み込む4ドアサルーン(クーペ)の上屋を組み合わせた新しいポルシェ流スポーツカーだ。2009年の上海モーターショーでデビューしたときは、リーマンショックに端を発する世界的な不況のあおりを受けて行く末が心配されたが、いざ蓋を開けてみればなかなか販売は好調のようである。

 デビューは2010年モデルから。現在、新車は2011年モデルに切り替わったが、いまでも新車をオーダーすると最低半年は待つことになるという。中国に代表されるアジアの需要拡大が影響して世界的に品薄のようだ。しかし認定中古車であれば基本的に納車は即納に近い。「いますぐ欲しい」という人にとっても無視できない存在だ。ポルシェの認定中古車制度は、購入後1年間走行距離無制限の保証を基本に、有償で初年度登録より最大9年、走行距離にして20万kmまで保証される延長保証制度も構築される。時期的にはまだ新車保証も継承されるので、ユーザーは新車と変わらぬ気構えでいられる。

 パナメーラの在庫情報を紐解くと、しかし現時点では流通量が豊富ではない。ユーザーの下取り車はまだ極めて稀で、中心は販売店が試乗車や展示車として持っていたデモカーが中心となる。モデルイヤーの切り替わりと共に、デモカーとしての役目を終えた2010年式が店頭に並び始めているのである。

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操作系は911譲りの秀逸なレイアウト。ボディは大柄だがステアリングを握ればクルマが小さく軽く感じる。ミッションは7速PDKが採用される。シフトノブ周りには可変ダンパー、スポイラー、トラコンなどのスイッチが配される。

この個体は風合いの良いグレインレザー仕上げのソフトルックレザーシートが装着される。高級感があり長時間も疲れ知らずだ。リアシートは完全セパレートタイプで、乗員は包み込まれる形となる。高速移動ツアラーなのである。

ボディサイズの割にトランクスペースは広いとは言えない。ゴルフバックも1セットがやっとだろう。だが、リアシートが6:4に分割されて前に倒れるのは便利。セダンではなく5ドアハッチバックあるいはクーペスタイルである。

 

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