昨年の6、1シリーズに加えて、今年は大黒柱の3シリーズと、最近とみにBMWの新型モデル投入が盛んだ。BMWはどのセグメントであってもスポーティな走りを信条として、それが公然たる個性となっている。一般的には最も落ち着いた様を持つアッパーサルーンであっても同様である。今回は、そうした新型車攻勢に隠れた思わぬ伏兵として7シリーズに注目したい。

 現行型7シリーズ(F01型)は2009年に生まれた。前衛的デザインが話題を呼んだ先代E65/E66型に比べれば良くも悪くも落ち着いた佇まいを持ち、最新環境対応型ツインターボモデルや、ダイナミック・ドライブ・コントロール等の最新デバイスが投入された。昨今、急速に普及が進むハイブリッドモデル(アクティブハイブリッド7)も当然のごとく用意される。

 そうしたBMW流サルーンの最高峰が、いま認定中古車で手に入れやすくなっている。もちろんBMWの認定中古車のうち、初年度登録から5年以内、走行距離6万km以内の、正規販売車、無事故無改造の個体のみが該当するプレミアム・セレクションだ。7シリーズを始め、Mモデルを筆頭とするスペシャルモデルを積極的に取り扱う「Abe BMW」が展開する「BMW Premium Selection品川」にあった個体をサンプルとして話を進めていこう。

 目の前に現れたのは、いかにもBMWらしい清々しさの中に落ち着きを秘めたインペリアルブルーをまとった740i である。昨年2011年9月に登録されたばかりで、走行距離もまだ5000kmほど。デモカーとして卸された個体がプレミアム・セレクションに舞い降りた、という経緯を持つ。内外装に使用感はほぼ見られず、同店は全車を屋内展示することも手伝って、ショールームに置いたら新車と間違えそう、というのが大げさでないほどの状態だ。

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ダンパーの減衰力を始め走行プログラムが変化するダイナミック・ドライブ・コントロールを始め、インテグレーテッド・アクティブ・ステアリング、「iDrive」などBMWらしい先進装備が満載。未来的かつ使い勝手に優れる。

コンフォート・パッケージが組み合われているので、コンフォートシートにベンチレーションが備わる。定番のブラックレザーは汚れも目立たず高級感は満点。この個体は運転席であっても新車のような張りと艶が保たれていた。

慣れれば直ぐにブラインドタッチが可能となる操作系。シフトノブは昨今のBMW流儀に則った形状を持つ。ミッションは既存のトルコン方式の6速AT。ビッグトルクに対応するため、滑らかなフィールを得るための選択である。

 

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