ボディ形態やエンジンバリエーション、仕様に至るまで、いつの時代も様々な選択肢を用意するのがポルシェ911である。発売が開始され話題沸騰のタイプ991にしても、既にクーペのみならずカブリオレも公開された。だが、現時点ではクーペにしても試乗車や先行予約車の一部にナンバーが付いたのみ。いま駆け込んでオーダーしても、半年以上の納期を要するという。

 そこで注目すべきが先代となるタイプ997の世界である。新車供給こそ終わったものの、ポルシェの認定中古車を見ると、在庫量にしても品質にしても、まさに“これからが旬”と言わんばかりの魅力に満ちあふれている。

 今回、訪れた北関東屈指の販売店、ポルシェセンター高崎・前橋には、この日だけで3台のタイプ997が見られた。いつも品質や仕様に一家言を持った10台前後の在庫を持つ彼らである。それを具現するかのように佇んでいた個体が今回の1台だ。他ブランドとはひと味違う艶を持つアークティックシルバーメタリックをまとう2008年式のカレラ4Sカブリオレである。

 年式で考えると前期型の最終モノ。DFIユニットやPDKに代表される新機構は持たずに、既存の3.8Lに5速ティプトロニックSとなる。だが、タイプ997は生涯を通してカレラ4系すなわち4輪駆動モデルが少ないうえ、この個体はさらにカブリオレボディである。ステアリング位置がポルシェにしては珍しい右だということを含めて、実に希少なパッケージである。前のオーナーのコダワリなのだろう。その珍しさはオプションや色使いにまで及ぶ。外装色に似合うよう内装はココアブラウンのフルレザーで統一され、ボディ同色ペイントシートバックなどのさりげない小技も組み合わされる。この辺りはカブリオレならではの“見られるためのインテリア”なのだろう。さらに14ウェイの調整機構を持つアダプティブスポーツシートや、スポーツクロノパッケージ、スポーツエグゾーストシステムなど、走りの質を高める装備も満載である。

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ポルシェ911にしては珍しい右ハンドルなのがポイント。右でも操作系に違和感はまったくなく、ポルシェ哲学を味わえる。街中での利便性や安全性に優れていて乗りやすい。HDDナビやETCは装着済。すぐドライブに繰り出せる。

14ウェイの調整ができるアダプティブスポーツシートが装着される。長距離のドライブを苦にさせないポルシェらしいオプション装備だ。さりげなくポルシェクレストエンボス加工ヘッドレストとなるところがまた所有欲をくすぐる。

ボディカラー同色ペイントシートバックは内装が剥き出しになるカブリオレらしい装備。明るさによっては黒にも見えるココアブラウンのオールレザーインテリアはとても大人っぽい雰囲気。シートや内装に傷や汚れは見あたらない。

 

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