統一感ある外観のみならず、この個体にはPASMを筆頭に人気のオプション装備が網羅された状態だった。オプション総額は200万円以上にものぼり、当時の新車価格(615万円/2012年式)を加味すると新車での乗り出し価格は900万円を超えると思われる。それが、630万円というプライスが掲げられたことに驚く。乗り出しで671.5万円ということだから、ゆうに200万円以上のバリュー価格であることが分かる。当然ながら状態は新車そのものだし、オーダーすれば半年以上の納期を強いられる純新車とは違って、手続きと事前整備さえ済めば即納されるという点も無視できない。
 同店にはこのほか、タマ数の少ないボクスターSを含めて複数台の未使用車が存在した。いずれも新車に比べて遙かなバーゲンプライスが提示されていて、手厚い保証と事前整備を享受できるポルシェの認定中古車制度と相まって、ポルシェのエントリーモデルを味わうに相応しい環境が整っている。もちろん、登録間もないので新車保証もちゃんと継続される。
 こうした未使用車のみならず、現在500万円前後にボリュームゾーンのある987型ボクスターを探すのも手だ。登録から2年以上が経過した個体なら、認定中古車とはいえ500万円を切る個体もザラにある。高嶺の花と最初から決めてかかっていた人も、市場動向を探って検討すればぐっと現実的だった、ということがある。事実、国産車からの乗り換えも多いという。
 現行981型ボクスターの出来映えは確かに素晴らしく、またひとつ格上のグランツーリスモへと移行した感がある。だからといって、ここに取り上げた先代たる987型を切るのはあまりにも惜しい。むしろ現行型にはない“ライトウエイトスポーツカー”としての資質は981型よりも色濃く宿り、爽快なオープンエアドライブと相まって実に爽やかな走りを提供してくれる。この走りと品質を踏まえると、やはりいま987型ボクスターは狙い目である。

TEXT:中三川大地

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ボディサイズは全長4340mm×全幅1800mm×全高1290mm。1400kgに最高出力255ps、最大トルク29.6kg-mの2892cc水平対向6気筒は必要にして充分だ。ミドシップゆえに重量バランスに優れ、爽快な走りを満喫できる。

この個体にはオプション扱いとなる19インチカレラSUホイールの、しかもブラックペイント仕上げが装着されていた。外装色であるプラチナシルバー・メタリックによく似合う。タイヤサイズはF:235/35、R:265/35である。

マイナーチェンジによってLEDライトを用いたより精悍な表情へと変わった。新型の981型が登場した今となっても古さはまったく感じさせない。ともすれば981型よりもひと目見てポルシェだと判別しやすく独特の存在感がある。

ポルシェ ボクスター

2012年 検27/12 走行20km プラチナシルバーメタリック
¥6,300,000

ポルシェ センター 狭山

埼玉県狭山市上奥富205-2
TEL.04-2901-3000

 

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