メーカー系ファクトリーが
レストアした車両は世界で通用する

 オートプロジェクトDの代表を務めている柴 明彦氏は、AMGコンプリートカーやMANSORYをデリバリーする一方で『クラシックヴィンテージ』の日本導入も積極的に進めてきたが、ヴィンテージモデルの販売を継続して行なってきた中で、旧いクルマのレストアや楽しみ方にはふたつの傾向があり、それを混同することなく、しっかり分ける必要があることを理解できたそうだ。それはどういうことかというと、いわゆる日本的な考え方で旧いクルマの各部を新品パーツとの交換で徹底的にキレイにし、臆することなく乗れる車両をセットアップするレストアと、メルセデス・ベンツのオールドタイマーセンターやフェラーリのクラシケ、そして、アストンマーティンのレストア部門などが実践している“車両の価値を出す”ためのレストアが存在しているという事実をちゃんと認識しなくてはならないということだ。
 柴代表によると「現在、フェラーリのクラシケは車両のオリジナル度が70%以上を保ったクルマしか扱っていません。アストンマーティンも取り扱い車両のオリジナル度を重要視する傾向にあります。そのため、日本で新品パーツを多用してキレイに直してしまうと、もう世界基準ではなくなってしまうということです。メルセデス・ベンツもオールドタイマーセンターの下請け工場であるHK-ENGINEERINGなどでレストアした車両に価値を見い出していますので、オートプロジェクトDでは、世界的に価値が認められるメルセデス・ベンツを主体として、日本のユーザーに歴史的文化財としての価値が高いクラシックヴィンテージをデリバリーするリーディングカンパニーとして活動していきます」とのことだった。

300SLが採用しているバードケージ状の本格的な鋼管スペースフレームは、1950年代中盤にレーシングシーンを完全制覇した純グランプリ/レーシングスポーツのW196/W196R(300SLR)直系のモノ。高い技術力を誇っているHK-ENGINEERINGでは、フレームの段階から作業を進めることも可能となっている。

代表 柴 明彦 氏
HK-ENGINEERINGやフェラーリのクラシケなどでレストアした“飾って楽しむヴィンテージモデル”と共に、“乗って楽しむヴィンテージモデル”の必要性も熟知している柴代表は、280SL(W113)のような、300SLよりも気軽に所有できる『クラシックヴィンテージ』をデリバリーすることにも努めている。