1972年に登場した初代のE12以来、最新技術を駆使した革新的な走りを系譜とするBMW5シリーズ。クルマ好きから高い支持を受ける欧州屈指のアッパーミドルクラスだ。E60のコードネームが与えられて2003年8月にデビューを果たした先代5シリーズにも、先進のシステムが採用されたエンジンやE65型7シリーズに改良を加えたサスペンション、アクティブ・ステアリングなどが装備され、躍動感のあるドライブフィールにより磨きがかけられている。ボディなどにアルミ材を採用することでE39より大幅な軽量化が図られているのもトピックだ。さらに、2005年以降の直6モデルでは、搭載されるエンジンに大きく手が入りパワーと燃費を高次元で両立させることにも成功。ちなみに525iの10・15モード燃費は8.8km/L、530iが9.0km/Lだから、両モデルとも高速道路では確実に10.0km/Lを超えるだろう。

　E60のモデルライフは2003-2010年までの約6年半に渡るが、認定中古車選びの際は3世代に分けられることを憶えておくといいだろう。デビューから2004年モデルまでが前期型、直6ユニットが換装された2005-2006年モデルが中期型、そして2007年6月に実施されたマイナーチェンジ以降が後期型となる。後期型のラインナップは、2.5リッター直6の525i、3リッター直6の530i、4リッターV8の540i、そして4.8リッターV8を積む550iの4種。2009年11月にF10型へスイッチするための過渡期のモデルとしてF07のコードネームを持つ535iグランツーリスモと550iグランツーリスモが導入されているが、存在したのは僅かな期間で登録台数は極端に少ない。そして2010年の3月に、F10のコードネームが与えられたニューモデルが登場している。