クライスラー ジープ・ラングラー 徹底検証
1941年に軍用車として開発されたウイリスMB直系の子孫がラングラーだ。ウイリスMBとは誰もが知っている「あのジープ」である。ジープの名は大戦後にウイリス・オーバーランド社によって商標登録されたもので、現在生産する権利を有しているのがクライスラー。つまり、クライスラーの傘下に入っているブランドと考えていい。ジープは車種名と思っている方が多いけれど、実はブランド名なのだ。現在もチェロキーやパトリオットなど、いろんなタイプのSUVをリリースしている。ただし、何と言っても最もジープらしいのが由緒正しきラングラーというわけだ。果たしてジープ・ラングラーとはどんなクルマなのか。クライスラー・ジープ・ダッジ相模原で見つけた先代(TJ型)を俎上に載せてその「らしさ」をじっくり紐解いていこう。
01 フロントビュー
1989-1996年のYJ型では四角いヘッドライトが採用されたものの、基本的に丸目と7本の縦形スロットグリル、平面ガラスのフロントウィンドーがジープの保守本流であることの証。ポルシェ911やMINIなどが次々と新世代版に生まれ変わるなか、原型を忠実にとどめて生き残っているのは、メルセデス・ベンツGクラスとジープ・ラングラーだけだろう。ボンネットラッチや露出しているヒンジ、厳ついバンパーなどは有り得ない硬派さ。大きく見えるが車幅は1740mmだから意外にコンパクト。2000年モデル以降のTJ型ではソフトトップが「スポーツ」、ハードトップは「サハラ」となる。
02 リアビュー
「サハラ」はリアウィンドーとゲートが別々に開く。もちろんガラス製のリアウィンドーが装着されているが、ソフトトップの「スポーツ」はビニールとなる。ちなみに、サンプルカーは2005年にリリースされた「サハラ・プラス」という限定車。スペアタイヤはハードカバーで覆われているが、通常は布のカバーかそのまま背負う。
03 サイドビュー
底の浅いボディ、太いタイヤを収めるためのオーバーフェンダー、直角に近いほど立ったフロントウィンドー、とにかくすべてがスパルタンだ。これぞオーセンティックなジープのスタイルで、ホイールベースも軽自動車並みの2375mmしかない。ドアはヒンジで止まっているだけなので勢いよく開けると90度ではなく180度に近いところまで回転する。なんと「開きすぎ防止」は1本のベルトが担う。
04 ソフトトップ
オープン・エア・モータリングを楽しめるのが「スポーツ」の魅力。ただし、幌は折り畳むというより取り外すと表現したほうがいいかもしれない。多数のホックを外したりジッパーを下ろしたり、慣れた人でも10分以上はかかるだろう。さらに取り付けるとなるとプラモデル並みにたいへんだから雨が降ってきたら潔く濡れて帰ろう。
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