新世代プジョーのアイコンにもなっている大きなエアインテークとシャープに切れ上がったヘッドライトを採用して2005年6月に上陸を果たした407。世界トップレベルの乗り心地が真骨頂のフレンチサルーンである。
猫足と称されるしなやかなサスペンションが提供する身のこなし、適度に力強く出しゃばりすぎないエンジンのフィーリング、クイック過ぎないステアリング、すべてのメカニズムがきっと人間の波長に合っているのだろう。とにかく長距離を走っても疲れないのである。
特にサスペンションはドイツ車で主流となっている強引に押さえつけるタイプではなく、フリクションの少ない動きの後に上下動を一発で収めるダンピング感に溢れるもので、きっとクルマ好きの口元を緩ませてくれるはず。肉厚シートも柔らかすぎず硬すぎず絶妙の感触と言っていい。そう、見た目はアグレッシブだが、肩の力を抜いて自然体で乗れるのだ。いまや硬めの足を持つアッパーミドルクラスセダンが市場を席巻しているだけに、快適にストレスなく長時間走ることができる407はとても貴重な存在と断言できる。
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