憧れのポルシェが、
身近なポルシェに

　数ある自動車ブランドのなかでも、これほど伝説が多くかつ憧れの強いブランドはそう見つかるものではない。いつも我々に憧れと希望を与えてくれたポルシェ。そのグラマラスで戦闘的なスタイリングが、心をわしづかみにするエンジンの鼓動が、あるいはかたくなに理想のグランツーリズモ像を追求する姿勢が、僕らの心を惹きつけて放さなかった。

　一般的に見れば高額車の部類に入る。おいそれと手を出せるブランドではないことも知っている。いや、誰でも簡単に手に入れられるイージーなクルマにはなって欲しくはない。だが、ここまで代表的な各モデルごとに取り上げた認定中古車を見ていくと、良い意味でポルシェを手に入れるための敷居は下がっているような気がしてならない。

　新車と見間違うような極めて新鮮な個体があると思えば、たった数年数万キロを刻んだだけで驚くほどリーズナブルになった個体まで、認定中古車は今や様々な性格がある。911一辺倒に近かったポルシェ自身のモデルラインナップも、この最近10年でミッドシップスポーツカーから、SUV、４ドアスポーツカーまで存在するようになった時代である。

　ユーザーの趣味嗜好はもとより、ライフスタイル、購入資金などでいまやポルシェを選べる時代に突入したのである。