「確かにVWディーラーの常識は主にファミリー層に受ける車種を平均的なボリュームで揃えることです。ただし、その方向で在庫を構成しても店舗の個性を主張していくのは難しいと考えました。フォルクスワーゲン 相模原橋本の個性、それは私を含めた14名のスタッフ全員がVWフリークであり、クルマ好きであるということ。そこで、自分たちが欲しいと思うクルマ以外は在庫しない、これを品揃えのコンセプトにしたのです。で、やはりご覧の通りの展示場となったわけですね」。
なるほど、確かに同店の展示場にはファミリー層に受けるモデルは少数派でGTIやR32が幅を利かせている。つまり、他のディーラーとは考え方が逆なのだ。冗談を交えながら気さくに話してくれた田村店長だが、中規模店が大規模店に対向するために試行錯誤を重ねながら繰り出した秘策なのだろう。他のスタッフとも雑談をしてみたのだが、田村店長の言っていたとおり、皆がVWのことが好きでしかも非常に詳しい。ちなみに最も盛り上がったのは、リリースされて間もないゴルフRの話題だった。
インターネットでの物件検索が常識化しているいま、ディーラー間の競争も激化、個性の時代に突入しているようだ。同店にも、静岡や群馬、甲信越に暮らすクルマ好きからの引き合いが増えているという。ともあれ、フォルクスワーゲン 相模原橋本のようなクルマ好きの気持ちがわかるディーラーが存在してくれることは大歓迎である。
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