安いからといっても個体の状態は抜群である。ボディは傷ひとつ見あたらず、内装も新車に近い状態が維持されている。パールグレイの外装色に、ブラック&ベージュの内装色も、ジャガーらしい高級感が際立っていていい。
保証内容も申しぶんないものだ。ジャガーの認定中古車にはプレミア・コレクションという制度が設定されている。車両修復歴改造歴なしは大前提として、初年度登録から18ヶ月以内の正規販売店のデモカーもしくは1オーナーカーは、新車保証継承に追加して1年間の走行距離無制限保証が適用されるものである。今回のXJは条件に合致したプレミア・コレクションだが、具体的に新車保証が約2年残っているので計3年、新車と変わらぬ保証期間が約束される。
こうした保証内容まで含めると、これら現行型XJの認定中古車の割安感を非常に強く感じる。ジャガーは他のブランドよりも個性的なコーディネイトが多いと聞く。ボディカラーも人気の白、黒、シルバーの一辺倒ではない。華やかな色合いから、伝統のブリティッシュグリーンなど、他銘柄では不人気と言われる色もジャガーにはなんなく溶け込み、引き合いも多い。それを受けて中古車も様々なバリエーションを持つ。好き嫌いは人それぞれだが、豊富に用意される内外装色やオプション装備が好みに合致すれば、この上ない魅力的な選択肢になるはずだ。そして新車を買うにしても、中古車を探すにしても、ぜひ仕様選びで妥協はしないほうがいい。「リセールバリューを考えて…」という姿勢はここでは一回捨てて、本当に気に入ったものを手に入れたい。
スタイルやメカニズムは大きく変貌を遂げても「いいものを長く使う精神」が宿った英国流高級サルーンの伝統は不変だ。そんな新型XJが、早速認定中古車で味わえる。そのチャンスを大いに活かしてみたい。
TEXT:中三川大地
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