ME156型と呼ばれる6208ccの大排気量ユニットが、ここ数年のAMGを動かす主流だった。だが昨今は環境対応性能の観点から世界的にエンジンの潮流がダウンサイジングに向かっている。AMGもCLS63 AMGなど徐々に5461cc+ツインターボ化され始めた。自然吸気のスポーツユニットとして完成を見たME156ユニットは今後、きわめて貴重な存在になるのかもしれない。 こうして見ると、いまME156型ユニットを搭載した最もコンパクトなモデルがC63 AMGである。今年7月にベースのCクラスを含めて大規模なマイナーチェンジを果たしたが、C63 AMGはまだME156型のまま。それは「小さなボディに大きなエンジンを詰め込んで、ピュアスポーツカーを凌駕する」という往年のAMG哲学が活かされているようで、実に魅力的なモデルである。

 合計2000箇所以上の変更を受けたベースのCクラスと共に、新型C63 AMGは確かに気になるモデルではある。だが、2007年に発表されデビューから3年が経過した初期の頃のC63 AMGだって忘れてはならない。メルセデス・ベンツの認定中古車(サーティファイドカー)の世界では、こうした初期モデルが次々と現れ始めていて、なかなか心を揺さぶるのである。

 今回、注目した個体は東海地区において35年の伝統を持つヤナセネットワークの重要拠点にして、現在はサーティファイドカーセンターとして店を構えるメルセデス・ベンツ静岡東サーティファイドカーセンターにあったものだ。初度登録2008年7月と、ちょうど3年が経過したC63 AMG。年式的には初期の個体だが、ステアリングが楕円形状になり、またリアビューカメラが設置されていたので、完全初期型ではなく08年7月以降にデリバリーされたものだ。

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昨今、輸入車と言えども右ハンドルが主流になっているが、AMGの場合は左の引き合いがまだ多いそうだ。インパネの造形はベースのCクラスに準じるが、専用ステアリングを始めとしてAMGを感じさせる特別装備は多々存在する。

フロント2座はスポーツカーさながらの大柄バケットタイプとなる。適度な面圧があって疲れ知らず。表皮の質感もすこぶる高い。バケットタイプは乗り降りに伴ってサポート部が劣化しやすいが、この個体は非常に綺麗だった。

絶対的スペースこそ広くはないが、大人3人がきっちり座れる後部座席。前席のシートが大柄のために包み込まれる印象を持つが、決して不快ではない。前席に比べれば使用頻度が少ないためか、まだ後席は新車に近い状態だった。

 

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