今回、注目したのは、2011年12月1日にグランドオープンしたジャガー・ランドローバー三島に集うレンジローバーの認定中古車である。同店は母体となる株式会社ALCモータースグループ全体を含めて、個性的なモデルの導入に積極的だ。例えば5.0L化されてからのスーパーチャージドモデルは、日本では受注生産という形となり、タマ数は少なければ納期も長いものだった。が、彼らは積極的にデモカーとして受注生産モデルを仕入れるほか、中古車も含めてユーザーに提供する取り組みをおこなう。今回お目見えしたフジ・ホワイトという実に和風な色を持つヴォーグもそんな1台。2011年3月にデモカーとして登録されたスーパーチャージドで、2012年モデルへの切り替えに伴いデモカーの役目を終えて、認定中古車として販売されるものだ。

 新車ならば1400万円で、オプション装備や乗り出し費用を含めると総額1550万円程度となるはず。それがたったの10ヶ月、走行距離にしても2000kmほどなのに、1278万円というプライスタグを掲げていた。その下げ幅だけでも驚くが、特筆すべき点はまだある。まずオーダーから納車まで半年近くかかる新車に対して、納車前点検整備のみで即納できること。さらに初年度登録から18ヶ月以内にあり、認定中古車のなかでもプレミアコレクションに該当する。よって新車保証継続+1年間の中古車保証を、走行距離無制限で享受できる。新車の場合、走行距離が6万kmまでの保証なので、言うなればプレミアコレクションのほうが手厚い保証なのである。

 現在、ジャガーエンジンのレンジローバーは、NAモデルで1000万円前後にあるが、市場の主を担うのはまだ4.4Lモデルだ。そうした中で、プラスアルファの投資で5.0Lの、それもスーパーチャージドが手に入るとなれば、触手が動く人は少なくないはずだ。また同店は現在、ショールームに複数台の2012年モデルを展示して新車のほうも積極的に販売する。いずれもツルシの状態ではなく、ランドローバーが大好きなスタッフ達が思い描いた、“ランドローバーらしいプレミアムSUV”を具現するかのようなオプション装備が多数装着されたスペシャルモデルばかりだ。こうした展示車も、縁があれば同様に即納で手に入るばかりか、自分好みの仕様を発注する際の参考にもなる。熟成極まるサードレンジに惹かれるのなら、まずは彼らの門を叩いてみて欲しい。

TEXT:中三川大地

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ヴォーグに用意されるのは5.0L・NAおよびスーパーチャージド。とりわけスーパーチャージドは最高出力510ps、最大トルク63.8kg-mを発揮するモンスターSUVだ。しかし強暴さは感じず、普段はジェントルに振る舞いたくなる。

2009年のマイナーチェンジでエンジンと共に外観の意匠も変更され、LEDを巧みに用いたヘッドライトなどに変わった。NAモデルの標準装着ホイールは19インチだが、スーパーチャージドは20インチ+大径ブレーキとなる。

上下二分割で大きく開くテールゲートは、とても使いやすくて容量も充分だ。スクエアなスタイリングゆえに変な出っ張りがないところもいい。この個体はデモカーということもあって荷室が使われた形跡はなく新車そのものだった。

RANGE ROVER VOGUE
5.0 V8 SUPERCHARGED

2011年 検2014年3月
走行距離2,000km
フジ・ホワイト
¥ 12,780,000

ジャガー・ランドローバー三島
アプルーブドカーセンター

静岡県三島市青木95-1
Tel. 055-983-0211

 

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