「小さなボディに大きなエンジンを」という往年のAMG哲学を、そのまま現代の最新技術を持って昇華させたC63 AMGがいま熱い。他のAMGモデルが軒並みダウンサイジング+過給器となるのに対して、C63AMGだけは2013モデルでも頑なに6208ccのNA(M156型)を搭載し、自然で芳醇なフィールが人々を魅了させる。また滅法速い動力性能を必要以上に誇示することなく、大人しく走ればフツウのCクラスとして使えてしまう。
 そんなC63AMGを狙うなら、メルセデス・ベンツの認定中古車(サーティファイドカー)が特にお勧めだ。理由はふたつある。まずは発売から相当の時間を経て、徐々に相場が落ち着いてきたこと。一時はセダンですら7〜800万円台を維持していたものが、最近では前期型なら700万円台を大きく割り込んできている。市場に流通する個体もどんどん増えてきた。
 さらにもうひとつ。今回のメインテーマとも言える低金利キャンペーンの実施である。現在、メルセデス・ベンツでは4月末までの期間限定で、2.9%の低金利キャンペーン(通常は4.49%)が実施されている。今回の対象はA、B、C、Eクラスといわゆるコンパクト、ミドル級のみ。だが、その範疇にはAMGモデルが含まれる。支払い総額が高額であればあるほど低金利のメリットが活きてくるから、ゆえにAMGは最も“お買い得”である。
 そこで一例を。老舗AMGパフォーマンスセンターにしてアッパークラスの取り扱いに長けたメルセデス・ベンツ品川を覗いたら、引く手あまたのステーションワゴン、それも一番人気のカルサイトホワイトを見つけた。初年度登録が2010年ながらも、走行距離はまだ1.6万km。丁寧な扱い方をされてきた雰囲気の滲み出るような、すこぶる良質な個体だった。

NEXT PAGE

前席はAMG専用ヘッドレスト一体型のスポーツシートが備わるが、操作系の基本は通常のCクラスとさほど変わらない。ブラックレザーのインテリアに右ハンドルはニーズが高い。ステーションワゴンは右ハンドルのみの導入だった。

前席のシートが大きいので多少圧迫感を感じるものの、基本骨格がCクラスゆえに後席も充分使い勝手のいい居住空間が拡がる。前席を含めたシートは、新車と変わらぬ張りと艶をキープしていて、前オーナーの丁寧な使い方が伝わる。

走行距離はまだ1.6万km弱と、初年度登録から3年が経過したにしては少なめ。この個体は前期型となるが、程度やモデル自体の雰囲気を含めて古さをまったく感じさせない。メーター内の「AMG」「6.8-V8」がC63AMGの証である。

 

.