コーディネーター的な役割で
良質車を橋渡し

 既述したように『ヴィンテージ湘南』では国内外のコレクター等などから直接買いつけてきた車両と、ユーザーから委託販売車として預かった車両をユーザーに提供しているが、入庫車両の仕上げ、納車整備、そして、販売後のアフターメンテナンス等についてもしっかり行なってくれる。
 代表の湯山氏によると、「車両の整備は、十数年前から懇意にしている様々なショップにお願いしています。メカニックによって得意、不得意があるので、その道のスペシャリストにオーダーし、常にベストだと思う状態で仕上げています。このクルマの場合はこのショップが最適で、あのクルマの場合はあのショップが最適だと思いながら仕上げ作業を進め、コンディションが整った車両をユーザーに提供しているので、そのような一連の流れの中において私はコーディネーター的な役割を果たしているといえるでしょう。各車のパーツを入手することに関しても、頼りになる人脈を活用しているのでまったく問題ありません」とのことだった。

 いい状態を保った車両がどんどん少なくなっていく状況の中で、良質車ばかりを販売しているヴィンテージ湘南の形態を今後も維持していくのは大変ではないかと素直に思ったが、そのあたりのことについても伺ってみたら、湯山代表から以下のような回答が返ってきた。
「販売車両は日本国内で調達するケースが多いですが、アメリカではまだまだたくさんの良質車が流通しているので、4ヶ月に一度のペースで定期的に渡米しています。お目当てのクルマを仕入れできず徒労に終わる場合もありますが、行くことによって向こうとの太いパイプを維持することができますし、良質車を求め、アンテナを張っている日本人がいるということを明確にアピールできます。何もアクションを起こさなければ、情報が入って来ることもありませんからね。そして、もちろん、日本では遭遇できないような“いいクルマ”と出会える機会が多いので、今後もアメリカには行き続けようと思っています」
とのことだった。ヴィンテージ湘南の販売車両保管庫は、これからも魅力的な内容をキープし続けていくことになるだろう。

text&photos by Hidenori Takakuwa(高桑秀典)

VINTAGE SHONAN
(ヴィンテージ湘南)

神奈川県横浜市瀬谷区南台1-3-2
横浜サウスプラザ三ツ境
TEL:045-300-3750
FAX:045-300-3751
営業時間:10:00〜19:00
定休日:不定休
http://www.c-b-c.cc/

ポルシェ911や356に交ざるかたちで保管されていたイエローのフォルクスワーゲン・ビートルのラグ・トップ仕様は1958年式。アメリカでセンスよくカスタムされた車両だ。

販売車両保管庫の一部は2段式のパレットになっており、当スペースも良質の販売車両で満たされている。常に総勢約40台の名車が佇んでいるのは圧巻だ。