上質な乗り味と見る者を圧倒する
独特の存在感が身上
その車格ゆえに5シリーズのような身近さはないといえるが、450〜500万円程度の予算があれば購入可能なE65型7シリーズも数多くのBMWフリークにとって悩ましい一台となっている。実際に購入しようと思った場合、自宅ガレージの大きさなどをしっかり見極める必要があるが、内外装の至る所に機能美と造形美を満載し、質の高い洗練された走りを愉しめるE65型7シリーズは、万難を排してでも所有したくなる様々な魅力を有している。
BPS世田谷にて撮影した車両は484万円の08年式740iで、稀少な左ハンドル仕様であることが最も分かりやすいポイントとなる。7シリーズはビッグ・サイズの車体が醸し出す迫力が半端なものではないので、一見すると鈍重そうな印象を受けるが、実際には精緻にセッティングされたサスペンションと幅広リア・トレッドの恩恵により、軽快なハンドリングと鋭敏なステアリング・レスポンスを特長としている。そのため、ワインディング・ロードをハイペースで疾走するようなシチュエーションであっても、優れたシャシーによってもたらされる秀逸なコントロール性能がドライバーを的確にアシストしてくれる。
既述したように、E60型5シリーズを購入するための予算があればE65型7シリーズを狙うことができる。5シリーズと7シリーズではクルマのキャラクターが異なるため、両セダンの間でどちらを購入しようか検討するケースは少ないかもしれないが、BMWのフラッグシップ・モデルに乗れる環境が整っているのであれば、迷うことなく7シリーズをチョイスするといいだろう。きっと“最上”という言葉の意味を愛車に触れる度に実感できるはずだ。
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