手ごろな予算で楽しめるRSをより多くの方に提供したい。

----認定中古車の対象外となる中古車も積極的に揃えているようですね----

「RSは、流通量が少なく根強いファンが多いため中古車の相場は高値で安定しています。だから、“RSの認定中古車は高い”というユーザーからの声が絶えなかったのです。最初は、そんなお客様に“そういうことでしたら、年式の関係で認定中古車の対象からは外れるのですがコンディションのいい下取り車がありますので安くお出ししましょうか”みたいなところから始まりました。自社でメインテナンスを行ってきた個体に限定していますので自信を持ってご提供できるのです。お店の利益という面ではなかなか厳しいのですが（笑）、RSの魅力をより多くの方に知っていただくことにはなるわけですよね。」

----なるほど、だからショールームにはルーテシアRS V6の中古車が最も目立つ位置に飾ってあるわけですね。ルノーディーラーはどこもカングーの新車です（笑）----

「実は、私が最も好きなRSがルーテシアRS V6なんですよ。もちろん、中古車の在庫はほとんど切らしたことがありません。個人的に所有していたこともあるのですが、特にフェイズ�Uの走行感覚が好きですね。本当に気持ちいいクルマですよ。2シーターですからファミリーカーとしては使えませんが、持てる環境を整えられる方には“ベストRS”としてぜひお薦めしたいモデルです。」

速いだけではなく、気持ちよく走れるのがRSの魅力

----そもそもRSの魅力の源泉はどんなところにあるのでしょう----

「RSってクルマ好きが自由に作ったクルマ、そんな世界観を持っているクルマだと思いませんか。「ちょっと待て、そんなクルマは売れないだろう」と、開発に待ったをかける人がいない聖域というか。販売台数のことやマーケティングのことなどを最優先で考えれば、ルーテシアRS V6のようなクルマを平然とカタログモデルに設定するはずがない（笑）。つまりRSにはエンジニアのこだわりと自由な世界があるわけです。また、他ブランドのコンプリートカーに比べて新車価格が抑えられているのも大きな魅力ですよね。最高速では大排気量ユニットを積むBMWのMやメルセデス・ベンツ AMGに負けるかもしれませんが、鋭い加速とコーナーリングでは決して負けていないと思っています。」

----ところで、認定中古車の中心になっている先代ルーテシアRSってどんな魅力を持つクルマなのでしょう----

2リッター級ホットハッチのナンバー・ワンはホンダのシビック・タイプRだと思っていたのですが、初めて先代ルーテシアRS（フェイズ�U）に乗ったときはまさに目から鱗モノでした。エンジンはグイグイ引っ張る力強さに溢れていますし、マイルドでしなやかな足はもうカルチャーショックでしたよ。この手のクルマは固めた足を持つのが一般的じゃないですか。路面を力ずくで押さえつけるというか。RSはサスペンションのストロークを活かして路面を撫でるように走るのです。特に高速でのフラット感は一級品ですよ。

-----先代メガーヌRSはどうでしょう----

まずはルックスがいいじゃないですか。上品でスタイリッシュで、そしてスポーティ。適度に見栄も張れる（笑）。で、走ってみるとライトウェイト・スポーツカーのような軽さを感じさせてくれるのです。実際は決して軽くないのですが、でも軽快感を楽しませてくれる演出は見事ですよ。フェイズ�UはRS製ホットハッチの完成系と言っても過言ではないと思います。乗り心地がいいからファミリーカーとしても使えるし、その気になればサーキット走行も楽しめる。懐が深いクルマとして高く評価しています。ちなみに、ちょっと前まで私もオーナーでした。