「私が乗りたいポルシェ、
それがクレヨンポルシェの基本形」

 30年前に購入したポルシェで痛い目に遭った経験を踏まえ、ガレージクレヨンの岡本代表は乗って心配の少ない“クレヨンポルシェ”をデリバリーすることに努めている。自分が乗りたいポルシェこそがクレヨンポルシェの基本であるという持論を展開しているが、その理念(こだわり)について伺ってみたところ、以下のような回答が返ってきた。
 「最後の空冷911となった、993のラストモデルが登場したのは1997年のことでした。すでに14年落ちということなので、現在、コンディションが悪いクルマも数多く流通しています。継続的に適切なメンテナンスを受けてこなかった993は家で言うならリフォーム前の状態だといえますが、クレヨンポルシェは、しっかりリフォームされた住みやすい家ということになります。そして、温故知新を実践するために、ボクスター スパイダーやPDK仕様の911も所有し、最新モデルのフィーリングも確かめています。また、今でも74年式の911のステアリングを握り、911DAYSポルシェレースに参戦し、ポルシェのことをよりよく知るための活動も続けています。」  また、メンテナンスに関しては、ファクトリーをフル活用しメカニック4名で対応している。
 「一台一台、手作業にて丁寧に仕上げていますので、ひと月に4台をリフレッシュするので精一杯です。もちろん、新車にはなりませんが、お客様には新車時の7〜8割の状態に近づけていると説明しています。エンジンのオーバーホール作業が完了した後には、私がクランキング検査をしています。サーキット走行時に壊してしまったエンジンの感触を覚えていますので、手に伝わってくる細かな振動を見逃さないようにしています」とのことだった。幾多のこだわりを反映した良質車を販売しているガレージクレヨンは、ポルシェ・フリークにとってまさに必要不可欠な存在である。

ガレージクレヨンの岡本 孝代表は、エンジンのオーバーホール作業完了後のクランキング検査を自らの手で欠かすことなく実施している。

鈑金塗装ブースが併設されたメンテナンスファクトリーには、経験豊富なメカニックが4名ほど在籍している。

ピストン、シリンダー、ヘッド、バルブ、カムハウジングその他、外したものはすべて洗浄、測定している。また、バルブすり合わせ、バルブシール交換といった作業も特別なメニューではなく、ごく普通に行なわれている。なお、そのようなエンジンのオーバーホール作業は、メンテナンスファクトリーの日課となっている。
各種作業の模様はホームページ上で公開されており、ユーザーやオーナー予備軍はガレージクレヨンの技術力の高さを気軽にチェックできる。