ヒストリー
 
 
 
 
 「ポルシェ」という名前を聞いて、そのフォルムを思い浮かべない人はいない。 ポルシェは911というアイコン的存在と共に、半世紀以上我々の脳裏にスポーツカー像を刻んできたスポーツカーメーカーである。
 ポルシェ社は、VWタイプTを設計したエンジニア、フェルディナント・ポルシェの息子であるフェリー・ポルシェによって1947年に設立された。初の自社設計であるポルシェ356は、第二次世界大戦後の小型スポーツカーの指針となるなどスポーツカー・メーカーへと成長する布石を打つ形になった。そして、その後の911シリーズこそ、ポルシェを今日へと導いた代表選手としてまず間違いない。
 ポルシェ911は1965年に初代901型として誕生した。「901」という三桁数字の真ん中に「0」の入る数字はプジョーが商標を獲得していたため、911と名乗ったのは有名な話だ。基本骨格は、空冷水平対抗6気筒エンジンをリアに搭載する2+2クーペ。ナローという愛称で親しまれる初代901型は、その後バリエーションを拡大しながら、オイルショック前夜にカレラRS(RSR)を限定生産し、930型へとバトンタッチする。