ヒストリー
 
 
 
 
 911の2世代目にして、最も長い間生産が行われたのが930型(通称ビッグバンパー)である。基本骨格を踏襲したパワートレインは時代と共に大きく、そして高出力化され、タルガやカブリオレなどボディ形態も増えた。911ターボが誕生したのも930型からである。
 その後、1989年に964型へとバトンタッチすると、今後はATであるティプトロニックや、4WDであるカレラ4などが台頭し、誰にでも扱えるスポーツカー色を強めていった。一方でカレラRSなどを用意し、硬派なスポーツカーとしての資質も同居させた。その後の993型はキャビン周りに964型のシルエットを残しながら、太腿とも呼ばれたフロントフェンダーの峰は低くなり、テールエンドのデザインも一新された。リアサスペンションがマルチリンク化されたのもトピックだ。市販の911で初めてターボ+4WDが実現されたのは993型であり、空冷最終形として今だ根強いファンは多い。
 その後、ポルシェは996型となって環境問題への対応を迫られたことなどで水冷化され、現行型997型へと至る。それは機械としては進化であり、新しいグランツーリズモ像と共に新規ユーザーを獲得したのは事実だが、しかし空冷への強い思いを抱く人が多いのもまた事実である。