Aクラスのトランスミッションやフロアパネルなどを流用しながら、全長とホイールベースをグーンと伸ばして2006年1月に登場したBクラス。エンジンやギアボックスの一部を2重フロアの下に落とし込むように搭載する“サンドイッチ・コンセプトも踏襲しているので、Cセグメントカーの平均的な全長ながら広大な居住空間を持つのが最大のポイントとなる。ラインナップは、1.7リッター直4のB170と2リッター直4のB200、そして2リッター直4ターボを積むB200ターボの3種。2008年8月にフロントグリルやインテリアのデザインに手が入るフェイスリフトが実施され、現在はB170の名称を変更したB180とB200の2本立てとなっている。
Bクラスのスリーサイズを紐解いてみると、Aクラスよりも420mm長く、15mmワイドで10mm高い。そして、ホイールベースは210mmも伸ばされている。Aクラスも必要にして充分な室内空間が確保されていたのだから、このボディ・ディメンションで狭いはずがない。Bクラスのそれはまさに広大! 後席のフットスペースや荷室の余裕は並みのミドルクラス・セダンを凌ぐと言っても過言ではないだろう。お見事だ! ご存じのようにCセグメントには欧州の競合たちが揃っているが、Bクラスの優れたスペースユーティリティは決定的な「選ぶ理由」になるはずだ。
さて、乗り心地はどうだろう。Aクラスと同様、メルセデス・ベンツらしい重厚感を持つことは言うまでもないが、ホイールベースを伸ばしたことで、高速での直進安定性や街中でのしなやかなフィーリングにより磨きがかかっているのだ。徹頭徹尾しなやかさを保つように躾けられている足には、きっとベテランのクルマ好きも納得するだろう。これなら長距離を走ってもほとんど疲労を感じないはず。最近は、実用ハッチバック車も「スポーティ」の名のもとに硬い足を与えるのが流行になっているが、Bクラスのあくまで乗り心地を重視する姿勢は高く評価できる。まさに「我が道を行く」である。それがメルセデス・ベンツなのだ。
ところで、Bクラス認定中古車は、現在Aクラスとほとんど同じ価格帯で推移している。Aクラスが高値なのではない。Bクラス認定中古車がすごく安いのである。快適に、そして安全に移動できる手ごろなファミリーカーを探している方はぜひチェックしてみるといいだろう。
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