スリー・ポインテッド・スターが見慣れた位置に立ち重厚感を強調した“エレガンス”(EL)とスポーティ感を際立たせたフロントグリルを持つ“アバンギャルド”(AVG)という2種類のエクステリアを採用して2007年6月にリリースされた現行型Cクラス。コードネームはセダンがW204、ステーションワゴンがS204となる。203の流れを継承するラインナップは、1.8リッター直4スーパーチャージャーを積むC200コンプレッサー EL/AVG、2.5リッターV6のC250 EL/AVG、AMGスタイリングパッケージと呼ばれるエアロパーツやスポーツサスペンションなどが装着される3リッターV6のC300AVG S。操作系では、Sクラスでお馴染みのCOMANDOシステムが採用され、ダッシュボード中央のモニターに、ナビやエアコン、オーディオなどの操作情報を一括して表示できるようになったのがトピックだ。2008年4月にはベースグレードとなるC200コンプレッサーが427万円で登場、またステーションワゴンも導入された。そして、2009年8月になると直噴方式を採用する新世代ユニットの1.8リッター直4ターボ搭載モデルが上陸を開始、C200系とC250がCGIブルーエフィシェンシーに切り替わっている。
さて走らせてみると、204のフィーリングは先代の203とずいぶん異なることに気づくはずだ。運転に慣れていない女性の方にも解るだろう。エンジンの吹けあがりやサスペンションのストローク感、またステアリング・フィールなど、とにかくすべてが軽快になっている。徹頭徹尾、各パーツはほとんどフリクションを感じさせないのである。特に1.8リッター直4スーパーチャージャーと直噴の1.8リッター直4ターボ・ユニットは先代よりさらに力強く、しかもスムーズ。そして3リッターV6かと思わせるほどトルキーで速い! スロットルの僅かな開閉に対するレスポンスも見事というほかない。つまり、メカニズムの完成度が劇的に高められているのだ。
クルマ好きの方にはぜひ試乗をお勧めしたい。神経を研ぎ澄まして粗探しをしてもまず欠点は見つけられないはず。すべての動作が重たかった190Eの末裔がまさかここまでの軽快なスポーティ感を身につけるとは。このクルマに隙はない。
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