カーレビュー

 フラットシックスをミドに積むロードスターの初代ボクスターがデビューしたのは1996年。当初は2.5リッターユニットのみでスタート。914以来のミドシップカー、そして何と言ってもベースグレードに付けられたプライスタグが595万円(当時は消費税抜きの表示)だったことで話題を集めたのは記憶に新しい。その後、1999年に2.5リッター・フラットシックスを2.7リッターに拡大、また3.2リッター搭載モデルを追加設定している。

 2代目にスイッチしたのは2004年のこと。ロードスターの美点を追求するというより、コーナリング時のダイレクト感を強めるなどミドシップカーとしての性能をブラッシュ・アップして生まれ変わった。主流となっていた見かけの高級感よりスポーツカーとしての性能に磨きをかけていく道を選択しているのがポルシェらしい。そう、ボクスターは、オープンカーである前に本格派のミドシップ・スポーツカーであることを主張しているのだ。

 2009年モデルでは、911やケイマンと同様にデュアルクラッチ式トランスミッションのPDKも採用。現在は、2.9リッター・フラットシックスを搭載する2.9(255ps/29.6mkg)と3.4リッターのS(310ps/36.7mkg)が用意されている。今後、どのような進化を遂げていくのか、楽しみな生粋のスポーツカーである。