名車もいいけど迷車もね!/第4回

2019/08/26 16:02:06

名車もいいけど迷車もね!

迷車を育てると名車になる!?/第4回
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はじめに/ヤングタイマーとは?
 
ヤングタイマーは、初度登録から15〜30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。
 
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「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について
 
初度登録から15〜30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。
 
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ルノー・クリオV6 フェーズ1とは?

 スーパーカー的な雰囲気を気軽に楽しむことができるルノー・クリオV6 フェーズ1は、かつて世界ラリー選手権で活躍したルノー・5(サンク)ターボと同じように、FF小型ハッチバックの外観はそのままにエンジン搭載位置をミッドシップに変更するという開発手法で造られた痛快なスポーツカーです。ボディサイズは、全長×全幅×全高=3805×1810×1350mm。ホイールベースは2510mmで、車両重量は1380kgです。フェーズ1の生産を担当したのは、かつてF1に出走していたアロウズ・チームの運営を担っていたこともあるTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)で、後年、顔つきが変わったフェーズ2はルノー・スポール製でした。
 
 
クリオV6のパワーユニットも、すでにワンメイクレース用車両として販売されていたクリオV6 トロフィーと同じモノで、DOHC24バルブヘッドを持つ2946ccのV型6気筒自然吸気エンジンでした。これは同時期のルノー・ラグナに搭載されていたエンジンと基本的に同じ仕様です。トランスミッションはHパターンの6段MTのみで、純正サスペンションのコニ製オイルショックはソフトな意外なことにセッティングでした。
 
 
参考までに記しておくと、1998年のパリ・サロンでレース・バージョンの「トロフィー」が発表され、公道仕様は2000年11月からフランス国内での販売が開始されました。ボディシェル、ボンネット、ルーフ、ハッチはルノー・クリオ2.0 16Vのパネルが使われ、フロントフェンダー、リアサイドは専用パーツです。
 
 
エンジンのフィーリングがフレンドリーで、足まわりもスポーツカーとしては例外的ともいえるほどソフトなセッティングなので、タウンスピードであれば快適に走れるが、いざスピードを上げていくとドライバーの背後でV型6気筒エンジンが盛大なメカニカルノイズを奏で始め、低音が強調された排気音もドライバーをその気にさせてくれる。もちろん、そのような状況になった際のトップスピードは相当なものだ(V型6気筒エンジンの重心が高く、シチュエーションによってはトリッキーな挙動になることがあるので、速く走らせるためにはそれなりのスキルが必要となることをお伝えしておきます)。
 
 
専用パーツで組まれている部分もありますが、パワーユニットなどは他のルノーと共通なので、メンテナンス用のパーツは揃うでしょう。オートモービルアシスト・ブレスで店頭販売されている現車は、フル装備、ETC、CD、運転席レカロシート、社外ステアリングホイール、社外ドアミラー&ルーフスポイラー、社外マフラー、純正AW、内外装美車、機関良好というスペックです。
 
 
プライス&店舗インフォメーション
 
■ルノー・クリオV6 フェーズ1
 
税込車両本体価格:378万円
 
年式:2002年
 
走行距離:3万4200km
 
ミッション:6MT
 
車検:2020年3月
 
修復歴なし
 
■販売店舗
 
オートモービルアシスト・ブレス
 
住所:〒190-1214 東京都西多摩郡瑞穂町むさし野3-1-18 
 
TEL:042-539-2268
 
営業時間:(平日)9:30〜19:00/(日曜・祝祭日)9:30〜18:00
 
定休日:月曜日・第2火曜日
 
HP:http://www.blesscar.jp
 
文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

実用車にもなるヤングタイマーはコレ/第4回

2019/08/20 4:38:52

実用車にもなるヤングタイマーはコレ

パーツが豊富なクルマは旧くても足になる/第4回

ヤングタイマーとは?

ヤングタイマーは、初度登録から15〜30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。

「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について

初度登録から15〜30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。

フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオとは?

ビートルの愛称で親しまれたフォルクスワーゲン・タイプ1(空冷エンジンをリアエンドに搭載している後輪駆動車/いわゆるRR)の後継車として1974年に登場した初代ゴルフは、水冷エンジンをフロントに搭載している前輪駆動車(いわゆるFF)でした。パッケージングとスタイリングを担当したのは、イタリアが生んだカーデザイナー界の巨匠であるジョルジェット・ジウジアーロで、初代ゴルフがいまだに人気があるのは、ジウジアーロによるエクステリアデザインが見る者に旧さを感じさせないからです。

初代ゴルフに、オープンモデルの「カブリオ」が設定されたのは1979年のことでした。幌や開閉機構の製作を担当したのは、すでにビートルのカブリオレ仕様を手がけていたコーチビルダーのカルマン社。ゴルフ カブリオのフロントフェンダーの後ろにカルマンのエンブレムが貼りつけられています。

ゴルフ カブリオは1979年から1993年にかけて生産されましたが、実は初代ゴルフ(ゴルフ1)は1983年のフルモデルチェンジによって2代目へと進化しました。しかし、ゴルフ2ではオープンモデルがラインナップされなかったので、ゴルフ1のカブリオがゴルフ3のカブリオが登場するまで生産され続けることになったわけです。

14年間にわたって製造されるというロングセラーとなったゴルフ1のカブリオは、ボディこそ'70年代にデビューしたデザインのままでしたが、その中身は進化していました。ユーロマチックで伺った話によると、1990年以降のモデルはゴルフ2の後期と同じエンジン/トランスミッションを搭載しているそうなので、おそらく、絶版旧車のようにパーツの確保やメンテナンスで苦労するようなことはないでしょう。今回ピックアップしたゴルフ カブリオ 1.8またはゴルフ1カブリオの最終モデルとなったゴルフ カブリオ クラシックラインはヤングタイマービギナーにもオススメできるクルマだといえます。

ユーロマチックで伺った話をさらに記しておきます。ゴルフ2後期エンジンの最大の特徴は、電子制御のインジェクションシステムを採用している点で、これは、その後のゴルフ3とほぼ共通のシステムとのこと。面倒な調整や設定が不要なメンテナンスフリー化を実現しているそうです。また、'80年代後半以降のフォルクスワーゲン車は高度なボディ防錆処理が施されており、錆が回らないので、長く乗ることができる点も大きな特徴とのことです。

本稿のテーマは「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」ということなので、通常のメンテナンスに関することも伺ってきました。それによると「消耗品類の部品の入手については、国内でも困るケースはほぼありません。エンジンとトランスミッション部分が共通のゴルフ2はバブル期に国内で数多く販売されただけでなく、現在でも人気車なので一定数の現存台数があり、部品の入手ルートが確保されているからです。ユーロマチックでは当時の整備解説書や部品リスト等の資料もあり、一般のユーザーの方でも普通にお乗りいただけるようにしっかりメンテナンスを行っています」とのことでした。

いまとなってはゴルフ1のカブリオの構造はシンプルなのでさほど故障せず、もしもどこかが壊れたとしても、ユーロマチックのようなVWスペシャリストに任せれば的確に修理してもらえるわけです。状態の良いゴルフ1のカブリオも台数が少なくなってきましたが、SNSなどの趣味的なコミュニティを通じ、情報を得ることも容易なので、末長く楽しめるでしょう。

プライス&店舗インフォメーション

■フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオ 1.8

税込車両本体価格:110万円(取材直後に売約済)

年式:1992年

走行距離:8万km

ミッション:3AT

車検なし

修復歴なし

装備:クラシックライン用純正15インチ鍛造ホイール、新品布製ジャーマントップ、新車時からの稀少オリジナル純正オーディオ、パワーステアリング、パワーウィンドウ。

■販売店舗

ユーロマチック

住所:〒156-0057 東京都世田谷区上北沢4-18-17 

TEL:03-3290-9001

FAX:03-3290-9041 

営業時間:10:00〜19:00

定休日:年末年始を除き年中無休

HP:http://www.euromatic.co.jp

E-mail:info@euromatic.co.jp

文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典